肝炎の組織所見・分類

 慢性肝炎における肝組織所見の評価の基準となっている分類は「新犬山分類(1996)」です。

 新犬山分類(1996)
 慢性肝炎とは、臨床的には6ヶ月以上の肝機能検査値の異常とウイルス感染が持続している病態をいう。
 組織学的には、門脈域にリンパ球を主体とした細胞浸潤と 線維化を認め、肝実質内には種々の程度の肝
細胞の変性・壊死所見を認める。そして、その組織所見は線維化と壊死・炎症所見を反映させ、各々線維化
と活動性の各段階に分け表記する。

線維化(staging) 線維化の程度は、門脈域から線維化が進展し小葉が改築され肝硬変へ進展する段階を線維化なし(F0)、門脈域の線維性拡大(F1)、bridging fibrosis(F2)、小葉のひずみを伴うbridging fibrosis(F3)までの4段階に区分する。さらに結節形成傾向が全体に認められる場合は肝硬変(F4)と分類する。
活動性(grading) 壊死・炎症所見はその程度により、活動性なし(A0)、軽度活動性(A1)、中等度活動性(A2)、高度活動性(A3)の4段階に区分する。すなわち、活動性の評価はピースミールネクローシス(piecemeal necrosis)、小葉内の細胞浸潤と肝細胞の変性ならびに壊死(spotty necrosis, bridging necrosisなど)で行う。
付記 F0:線維化なし
F1:門脈域の線維性拡大
F2:線維性架橋形成
F3:小葉のひずみを伴う線維性架橋形成
F4:肝硬変
A0:壊死・炎症所見なし
A1:軽度の壊死・炎症所見
A2:中等度の壊死・炎症所見
A3:高度の壊死・炎症所見


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