19.「金沢大学肝移植者友の会」(きんかんの会)

平成161121日金沢大学附属病院内にて、第1回の総会が行われ「金沢大学肝移植者友の会」(通称“きんかんの会”)が発足いたしました。 ”きんかんの会”は、金沢大学附属病院にて肝臓移植手術・治療を受けられた方、他医療機関で肝臓移植手術をし、現在、金沢大学附属病院にて治療中の方、また将来、肝臓移植手術・治療が必要と認められる方並びにその臓器提供者や家族(以上正会員)及び医師、コーディネータ、看護師等の賛助会員で構成された会です。

  会では、先に手術を受けた人たちの経験等をとおして、情報の共有化によ り、移植患者及び臓器提供者としての不安を少しでも軽く出来ればと考えています。また、医師等の賛助会員の方々には、会をバックアップして頂いております。
  移植患者が術後、元気に社会復帰している姿などの情報発信ができれば、一層の移植医療への理解も深まるものと期待しています。
        金沢大学肝移植者友の会規約 
       第1回総会模様

 金沢大学肝移植者友の会」第2回総会が開催されました


   平成17年11月27日に金沢能楽堂別館、茶室「対青軒」にて第2回総会及び懇親会を開催いたしました。
   懇親会では、会の今後の運営について意見交換を実施いたしました。

       
                  茶室「対青軒」                              総会模様

 金沢大学肝移植者友の会」第3回総会が開催されました

   平成19年722日に金沢大学附病院内の会議室にて、講演会、第3回総会及び懇親会を開催し、会の親睦を図りました。

   総会に先立ち肝胆膵・移植外科の大西一朗医師より「世界と日本の肝移植の現状と金沢大学附属病院における生体肝移植の治療成績」と題した講演が行われました。
  講演内容は@世界の肝移植事情,日本の肝移植事情
          A日本の肝移植と米国の肝移植の治療成績の比較
          B生体ドナーの術後の愁訴に関するアンケート結果
          C当院で行った生体肝移植の治療成績など

        

     講演会風景です。45名の出席者がありました。
 

     
講演資料抜粋 世界と日本の肝移植の現状と金沢大学附属病院における生体肝移植の治療成績



 
金沢大学肝移植者友の会」第4回総会が開催されました

   平成2011日(日)金沢大学附属病院内にて、「金沢大学肝移植者友の会」第4回総会が行われました。

   総会後は、「いのちを伝える臓器移植看護」の執筆者のお一人である永田明先生(愛媛大学大学院医学系研究科看護学専攻)に「生体ドナーの心理」について特別講演をして頂きました。
   講演内容は
@移植が決まるまでの心理(移植に至る経緯、誰がドナーになるのか、移植に対する期待)
           A移植前のドナーの心理(気持の昂ぶり、手術前の不安等)
           B移植後のドナーの心理(無力感と喪失体験、レシピエントの経過に対する感情、終わりのない移植、ノンドナー*1)
            *1:ノンドナーとはドナーの候補になりながらドナーにならなかった方

   講演後は意見交換会が開催されました。質疑応答の一部を紹介します。
     質疑応答 Q.レシピエントよりドナーの傷跡がはっきり残っているが大丈夫でしょうか。
            A.レシピエントは免疫抑制剤を使用しているため手術跡がはっきり残らないのです。
               ドナーの場合は若い人ほどはっきり残る傾向があります。特に問題はありません。
              (回答者:金沢大学附属病院 肝胆膵・移植外科 
田島秀浩医師)

   講演資料 「
生体ドナーの心理

        

    
              総会及び講演会風景です。                     講師:永田明先生

 「金沢大学肝移植者友の会」第5回総会が開催されました。

  
平成2113日(日)石川県勤労者福祉文化会館/フレンドパーク石川にて開催されました。

   総会には45名の参加者があり、役員改選等の後、金沢大学附属病院 肝胆膵・移植外科 田島秀浩医師より、「血液型不適合に対する生体肝移植の現状」、愛媛大学大学院医学系研究科看護学専攻 永田明先生より、「生体肝移植ドナーに対するアンケート分析結果および術後管理」の講演が行われました。

   講演資料 血液型不適合に対する生体肝移植の現状ドナーのみな様に行ったアンケートの結果報告

 「身体障害者福祉法における肝臓機能障害の追加に伴う」説明会を開催いたしました。

  平成22年1月31日(日)石川県勤労者福祉文化会館/フレンドパーク石川にて身体障害者福祉法における肝臓機能障害に伴う説明会が開催されました。なお、説明会の後、新年会も開催されました。
  金沢市役所 障害福祉課の杉本佳世様に講師になって頂き、下記の説明を受けました。
    @身体障害者制度(手帳の申請方法等)
    A生活の保障(年金の受給)
    
B障害者自立支援法の概要
    C暮らしのあらまし(JR運賃・有料道路等の割引
    D税金(所得税の控除、自動車にかかる諸税の免税)
    E健康と医療(更生医療・育成医療)

   説明資料 「肝臓機能に障害がある方の便利帳」 注:記載事項は市町村により異なりますので、当該の役所にお問合せ願います。

        
       講師:杉本佳世様                            説明会風景です。
    

「金沢大学肝移植者友の会」第6回総会が開催されました。

  平成22年11月28日(日)石川県勤労者福祉文化会館/フレンドパーク石川にて、第6回「金沢大学肝移植者友の会」(きんかんの会)の総会が開催されました。総会後、金沢大学附属病院消化器内科の柿木嘉平太医師による「肝移植患者さん向けの検査値の読み方」という題で講演をして頂きました。

  講演資料 「肝移植患者さん向けの検査値の読み方

         
     講師:柿木嘉平太医師                            講演会風景です。

「金沢大学肝移植者友の会」第7回総会が開催されました。

  第7回 「金沢大学肝移植者友の会」(きんかんの会)の総会が、平成23年10月2日(日曜日)に石川県勤労者福祉文化会館(フレンドパーク石川)で開催されました。
  総会では会計報告、新規役員の選出後、今後の会のありかたについて活発な意見が出されました。
  ・レシピエントやドナーの本音が語り会える機会を設ける場の提供や意見が吸い上げられるシステム作りについて検討して欲しいなどの提案がありました。
  総会の後、講演及び懇親会を行いました。金沢学院大学歴史文化学科教授・学科長の見瀬和雄氏による「前田利長と慶長期の加賀藩政 ―政治対立の狭間で―」という題目で講演して頂きました。加賀藩二代藩主利長は、
病気とも闘いながら加越能120万石の基礎を築き、壮絶な最後を遂げた人生を熱く語って頂きました。なお、近々、利長について本を出されるそうです。ご期待下さい。

  講演資料 「前田利長と慶長期の加賀藩政 ―政治対立の狭間で―」

  懇親会では、移植5年未満の会員の自己紹介や移植10年経過者の紹介及びノンドナーの体験談の発表が行われた後、3グループに別れ懇親を深めました。

      
    講師:見瀬和雄教授・学科長                       講演会風景です。

「金沢大学肝移植者友の会」第8回総会が開催されました。


  第8回 「金沢大学肝移植者友の会」(きんかんの会)の総会が、平成24年9月30日(日曜日)に石川県勤労者福祉文化会館(フレンドパーク石川)で開催されました。
  総会の後、
金沢大学附属病院 肝胆膵・移植外科 林 泰寛 医師による「脳死肝移植 現況と当院での経験」と題した講演をして頂きました。(金沢大学附属病院は、北陸で初の脳死肝移植手術が、平成23年10月10日に行われています。)
  詳細は第23章「脳死肝移植 現況と当院での経験」を参照願います。
  講演後きんかんの会会員で肝移植後10年経過者に対して、先輩からとしての貴重な体験およびアドバイスを頂くために9名にアンケートを依頼し、7名の方から回答を頂きました。(回収率78%)
  詳細は第24章「生体肝移植10年経過者に対するアンケート結果」を参照願います。

  講演資料 「脳死肝移植 現況と当院での経験」

  アンケート結果 
「生体肝移植10年経過者に対するアンケート結果」

      
    講師:林泰寛 医師                         講演会風景です。

「金沢大学肝移植者友の会」第9回総会が開催されました。

 第9回「金沢大学肝移植者友の会」(きんかんの会)の総会が、平成25年9月22日(日曜日)に、富山県砺波市上中野第1区公民館で開催されました。
 総会後、「学校法人天理よろづ相談所学園 天理医療大学 医療学部看護学科 共通基盤看護学」永田 明 先生(平成26年現在 「長崎大学 保健学科」)による講演が行われました。

 

 当日の講演内容は、「ヒアリング調査の結果」で、先生の論文「生体肝移植ドナーを体験した人々の「口を閉ざす行動」の背景にある文化」を基にしていますが、講演の内容は、論文の内容の要約を説明されました。
 調査の対象となった方々への配慮として,講演内容は公開はいたしておりませんのでご了解をお願いいたします。


      
     講師:永田 明 先生                     講演会風景です

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 「金沢大学肝移植者友の会」第10回総会が開催されました。

 
平成27年5月17日(日)金沢勤労者プラザにて、第10回の「金沢大学肝移植者友の会」の総会が開催されました。
 
今回は30名の方々に参加して頂きました。

 総会の後、今年で10回目となりましたので、改めて会員の自己紹介をして頂きました。
 医師や看護師の賛助会員の方々からは、ユーモアあふれる自己紹介でしたし、正会員の方々には、移植後の合併症を
中心にお話をして頂きました。レシピエントの多くは、それなりの合併症を発症しておりました。十人十色ですね。
 共通していたのは、刺身や貝類で下痢をしたということですね。年数が経過していても駄目でした。

 
自己紹介の後、金沢大学附属病院 消化器内科 北原征明 医師より「肝移植後の晩期合併症(新規悪性腫瘍を中心に)」
と題した講演をして頂きました。
 講演内容は「悪性腫瘍(がん)と免疫」、「肝移植後の新規悪性腫瘍(がん)の頻度と予後」を中心にお話して頂きました。
 私も11年目にして免疫抑制剤の副作用と思われる悪性リンパ腫を発症した者としては非常に参考になりました。
 講演の後、質疑応答があり充実した総会になったと思っています。

 なお、総会には肝臓移植を検討されているオブザーバーの方も参加しており、前向きに移植を検討されるとの事でした。


 講演会資料 
肝移植後の晩期合併症(新規悪性腫瘍を中心に)」

    
      講師 北原征明 医師

「金沢大学肝移植者友の会」第11回総会が開催されました。

 平成28年11月6日(日)に第11回「金沢大学肝移植者友の会」の総会が金沢市立中村記念美術館旧中村邸にて開催されました。

 
今回は、総会開催前に金沢大学附属病院 消化器・腫瘍・再生外科の大畠慶直(おおばたけ よしなお)医師による「国内初の、肝臓移植を担う高度医療人養成プログラム」と題した講演をして頂きました。
 講演では、本事業の目的、達成目標や具体的な実施内容について説明して頂きました。
 詳しくは、第27章「国内初の、肝臓移植を担う高度医療人養成プログラム」を参照願います。
 本プログラムの主目的は、実働可能な医療人養成であり、手術や、病理標本検討、移植のコーディネーションのいずれの領域でも実習をカリキュラムの中心に据えています。
 今回の講演は新鮮であり、肝臓移植のエキスパートが多く育って欲しいと痛感いたしました。

 このプログラムについて、詳しく知りたい方は、下のアドレスにアクセス願います。
 https://snuclthp.kuh.kumamoto-u.ac.jp/index.html

 
              講演風景 講師 大畠慶直医師   


第12回「金沢大学肝移植者友の会」の総会が開催されました。

 平成29年10月22日に第12回「金沢大学肝移植者友の会」の総会が金沢市勤労者プラザにて開催されました。

 今回は、総会開催後に金沢大学附属病院 肝胆膵移植外科の中沼伸一医師による「肝移植における筋肉と栄養療法の重要性
」と題した講演をして頂きました。

 サルコペニア(骨格筋量低下、筋肉の質の低下)状態
であると肝移植の治療成績が悪い
というデータに基づき、術後の早期による栄養療法の重要性が大事であると教えて頂きました。
  また、術前の”丈夫な腸作り”も重要であるとも教えて頂きました。

   

  更に、栄養管理により術後感染症を制御し、肝移植後の短期成績を向上させることが重要であるそうです。

  
  
   講演会風景 中沼伸一医師    懇親会風景(レシピエントとドナーの各グループに分かれて懇親会を実施いたしました。)


第13回「金沢大学肝移植者友の会」の総会が開催されました。
  
 平成30年11月3日に第13回「金沢大学肝移植者友の会」の総会が石川県立女性センターで開催されました。
 今回は、総会開催後に金沢大学附属病院 消化器・腫瘍・再生外科(肝胆膵・移植外科)の蒲田亮介(がばた りょうすけ)医師による「日本および金沢大学病院の肝移植の現状」題した講演をして頂きました。

 日本肝移植研究会の「肝移植症例登録報告」2016年版の一部をグラフ化および日本語化し、大変分かりやすく説明して頂きました。
 また、金沢大学病院の肝移植の現状も追加して説明して頂きました。


 詳細は29章「日本および金沢大学病院の肝移植の現状」を参照願います。

 講演資料 「日本および金沢大学病院の肝移植の現状」pdf版
 
 
講演内容の一部






 

      講師 蒲田亮介医師                  懇親会風景
 



”きんかんの会”名前の由来は?

  江戸幕府の異国船打払令が配布されていた1826年、中国船が遠州灘(静岡県沖)で難破し、清水港に逃げました。これを世話した柴田権左衛門は、お礼に砂糖漬の果物をもらいました。あんずに似た小さな黄色い果実。それが日本人がはじめて出会う”きんかん”でした。
  日本と中国の間の小さな友情が、幸運な出会いを運んでくれたのです。
  私たち、肝移植者も人生の荒波に揉まれて難破し、ドナーより肝臓という種を貰い、金沢大学医学部附属病院にて肝臓移植手術という大修理をして頂き、第二の人生を歩んでいます。
  きんかんの花言葉は”思い出・感謝”です。
  僅かなきんかんの種が全国に広がり、日本人に愛されようになったと同様、肝移植の事をもっと多くの人に知って頂き、情報発信の会となるためにも、会の名前を”
きんかんの会”としました。

                                
きん    かん     
  会の名前の由来は、別の意味も含まれています。 沢大学移植者友の会

  ”きんかんの会”の問合せ先 事務局代表:糸田敬弘

   e-mail: 
voyager5910@gmail.com


豆知識

 きんかんとは
     
和 名 学 術 名 花 言 葉 備 考
 金柑(きんかん)   Fortunella japonica   思い出・感謝   蜜柑(みかん)科 フォーチュネラ属 / /常緑低木/ 

 Fortunella(フォーチュネラ)は、 イギリスの学者で東洋に旅行した 「Fortune さん」の名前にちなむ。中国の原産であるが japonica(ジャポニカ:”日本の”と言う意味)の名がついています。

  効能 レモン果汁とほぼ同量の抗菌作用のあるビタミンCを含み、ビタミンPの本体「ヘスペリジン」を含んでおり、ビタミンC の吸収をよくして、毛細血管を強くする働きがある。これは、風邪の予防となるほか、動脈硬化、高血圧にも有効に働き、喉の炎症を抑える効果もある。扁桃腺がはれているときにも喉に やさしく作用する。とくに皮に多く含まれているので、皮ごと食べるキンカンは「ビタミン剤」そのもの。βカロチンやビタミンEも多く含む。果物としては珍しく「カルシウム」が含まれている。「日本全国おふくろの味」HPより


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