21.「血液型不適合生体肝移植の現状」及び「生体肝移植ドナーに対するアンケート分析結果」講演会内容
講演内容1「血液型不適合生体肝移植の現状」
血液型不適合生体肝移植の現状について、金沢大学附属病院 肝胆膵・移植外科 田島秀浩医師より講演をして頂きました。
講演内容は下のスライドを参照願います。
講演資料 「血液型不適合に対する生体肝移植の現状」「ドナーのみな様に行ったアンケートの結果報告」
講演内容2 「生体肝移植ドナーに対するアンケート分析結果および術後管理」
愛媛大学大学院医学系研究科看護学専攻
永田明先生に生体肝移植ドナーに対するアンケート調査を依頼・分析および講演をして頂きました。
講演内容の一部を紹介いたします。
「金沢大学肝移植者友の会」会員のドナー25名の方に諸問題解決のための調査を実施し、18名の方から回答を得ました。
@自分がドナーになったことをどう思いますかの問いに、50%の方が”大変良かった”、同じく50%の方が”良かった”と回答されています。
Aドナーの手術時の年代の問いには、20代22%、30代44%、50代17%、60代6%でした。
Bドナーの性別の問いに、67%(2/3)の方が女性で、33%(1/3)の方が男性でした。
Cドナーになったことで、将来の健康に不安はあるかの問いには、61%の方が不安を感じておられるようです。
D現在治療を受けている症状はありますかの問いに
(胃腸の痛み、傷からの排膿、腹部膨満/違和感等)
Dもし、ドナー外来があったらどんなことを相談したいかの問いには、多くの方が身体的なことについて相談したいと思っておられます。
Eドナーになったことで生じた悩みは誰に相談しますか
Fドナーとなるために仕事や学業などでの調整が必要でしたかの問いには、多くの方が調整が必要であったと回答されています。
G退院後支えになったこと、不足していたかの問いに、次のように回答されています。
支えになったこと ・家族や周囲の理解と協力
・レシピエントの健康
・信頼できる医師の存在
・家族、周囲からの感謝の言葉
不足していたこと ・周囲の不理解
・職場での過度な業務分担
・傷のケロイドはしらなかったので、後で驚いた
・家事/子育てをやらなければならず大変だった
アンケートの結果からも分かる様に、肉体的にも精神的にも、ドナーの術後のケアーを十分にしていく必要性が感じられました。
講演の後の懇親会の席上で、ドナーの方々が口をそろえて”レシペントの元気な姿を見ているのが一番嬉しい”と答えられていました。
レシペントの方々は健康管理に十分注意され、一日でも長く生きて行くことが、ドナーに対する恩返しではないでしょうか。