12.生体肝移植手術後の経過

長女の日記より


年月日 時 間 経            過
平成15年

3/27(木)

610

病院に到着

730

手術前の準備。胃管挿入、麻酔の準備など。

830

母さんと一緒に手術室へ。麻酔が効き始めているようだが、冗談を言い合って笑っていた。

1730

母さん、手術終了。手術室のドアが壊れていて、別のドアから集中治療室に移る。FDr.より説明があり、母さんの手術は無事終了、父さんのところへ肝臓が運ばれるところまでは見たということだった。詳しくは分からないが、順調に進んでいる様子だったとのこと。

1830

母さんと集中治療室で面会。「痛い」と苦しそうだが、出て行く時、手を振ってくれる。

3/28(金)

430

父さんの手術が終わった様子。30分ほど術後の処置にかかるとのこと。

500

父さん手術室から集中治療室へ。麻酔はさましていないそうで、苦しそうでもなく、よく眠っているような様子。

530

Dr.より説明。肝臓(グラフト)が思ったより小さく、400ml程度しかなかったと言われる。「十分な大きさのある症例より、術後が大変かもしれません」と言われる。(父さんの体からすると標準肝容積は1,300ml程度らしい) 父さんと面会。ふつうに眠っているように見える。

1300

母さんと面会。意識はしっかりしているが、痛そう。父さんと面会。苦しそう。まわりの機械の多さにびっくりする!呼びかけるとかすかに開眼するが、意識ははっきりしていない。まだ麻酔から十分にさめていないらしい。

1400

母さん、集中治療室から重症回復室に引っ越し。夜、母さんの部屋に泊まる。

3/29(土)

700

父さんと面会。眠っている。レスピレーターをつけているのが苦しそう。「分かる?」と聞くと手を握りかえしてくれる。

1300

父さんと面会。意識が戻っている!レスピレーターのため喋れないが、ジェスチャーできるようになっている。「これ(レスピ)を早くはずしてほしい」といわれ、母さんと一緒に泣いてしまい、父さんと面会しない方がいいと言われてしまう。

1930

父さんと面会。弟も一緒に。半分眠っているが、時々ジェスチャーで話してくれる。夜、母さんの部屋に泊まる。

3/30(日)

700

父さんと面会。今日にもレスピは外せるとTDr.から説明あり。

1300

1000ごろにレスピレーターが外れたらしい。話ができるようになる。とにかくレスピレーターが苦しかったらしい。ずっと同じ体勢でいるため、肩や足の痛みがひどくなってきた様子。

1930

母さん、弟、妹と一緒に父さんに面会。手術後、初めて家族揃う。

3/31(月)

700

父さんに面会。TDr.から、「尿量がかなり少なく、急性腎不全のようです。肝臓を助けるため、今日から透析のようなことを開始します」と説明あり。

1300

透析が始まっている。管を入れる時はさほど痛くなかったと。でも、肩や腰の痛みは相変わらず。母さん、一般病棟に転棟。点滴、麻酔が外れ、歩いてトイレに行けるようになる。

4/1(火)

 

皆で父さんに面会。透析はまだ外れず、肩やヘルニアによる腰の痛みもひどい。

4/2(水)

 

透析が外れる。尿量も少しずつ増えてきている。ラクツロースの影響か、下痢がひどい様子。手術後、意識が戻ってから、熟睡していないらしい。

4/3(木)

1300

父さんに面会。「もう着いた?」と突然聞いたり、集中治療室にいることが分からなかったりと、少し様子がおかしい。

1930

すごく怒っている。寒くなったり暑くなったりして大変。ドレンなどを抜こうとする。

4/4(金)

700

母さん、父さんに面会。「またお前か」と言ったり、手をあげたりする。「死なせてくれ」と言ったりして、母さんもつらいため、しばらく会わないようにしようということになる。手を拘束されるようになる。

1930

父さんに面会。とても怒っているが、眠そう。昼間、頭部MRIと脳波検査のため、麻酔でずっと眠っていた様子。検査結果は特に異常なし。

4/5(土)

1300

母さん、弟と一緒に面会。まだ少し意味不明なところもあるが、ほぼ普通に戻っている。朝、母さんが看護婦さんに渡してかけてもらっていたクラシックを口ずさんでいる。なぜか知らないが、母さんに申し訳なさそうだった。

4/6(日)

 

意識はほぼ普通。眠っていることが多い。朝ごはんにジュースを飲む。胃管抜去。

4/74/10

 

腰の痛みは相変わらずひどい。眠ると空をつかむようなしぐさをする。昼夜逆転傾向もあり、夜、あまり眠れていないみたい。

4/11(金)

 

重症回復室に引っ越し。朝、肺水腫のため管を挿入していたが、肋間神経にさわり、痛みがひどい。夕方、TDr.に管を抜いてもらう。弟が泊まる。

4/12(土)

 

父さんのところに泊まる。夜、ほとんど眠れていない。痛み、下痢がひどい。ベッド上で座れるようになり、昼間はリハビリが始まるらしい。

4/19(土)

 

母さん、外泊許可が出て、一度家に帰ってから、重症回復室に泊まる。 父さんの腹部の糸が溶けて、小腸が顔を出し、再手術をしたらしい。

4/21(月)

 

母さん退院。そのまま父さんのところに泊まる。

4/22(火)

 

父さん、一般病棟に転棟。以後は順調に回復。

5/13(火)

 

胆汁ドレナージ抜去。しかし、胆汁のもれがあり、発熱。腹痛もひどくなる。

5/14(水)

 

再度カテーテル挿入し、しばらく様子を見ることに。最悪、再手術!?

5/27(火)

 

胆汁ドレナージ抜去。胆管は自然にふさがったようで、体調もよさそう。

6/2(月)

 

大部屋に移る。

6/3(火)

 

試験外泊。

6/5(木)

 

退院!!


  (手術から2年後の平成17年3月22日、長女に元気な男の子が生まれました。私にとっては待ちに待った初孫です)
  (平成21年4月12日、長女に2人目の子供が誕生いたしました。長男同様、元気な男の子です。)
  (
孫達のためにも一日でも長く生きたいと思います。)


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